周囲に言えない秘密や趣味、誰にも教えていない預金口座や現金、借金、不動産…。 日本には「知らぬが仏」という言葉がある通り、秘密にすることによって穏便に事を済ませようとする文化がありますが、相続が発生すると状況は一変します。
死後に起こりうるトラブルを避けられるよう、このブログ・テーマでは「他人名義の株式の処理方法」「妻に教えていない借金の扱い方」「愛人や隠し子などへの対応」など、それぞれの隠しごと別に考え方や対処法を、これまでの実務経験を踏まえながら具体例を挙げながら解説します。
どんな男性も、妻や家族に隠し続けていることの一つや二つはあるものです。
中でも仕事もバリバリこなす経営者には、大きな隠しごとを持っている人が多々います。
妻の理解が得にくいと思って秘密にしている趣味、誰にも存在を教えていない預金口座や現金、あるいは借金。
そして愛人やその子供、さらには彼らが住んでいる不動産等々…。
また、日本には「知らぬが仏」という言葉がある通り、秘密にすることによって、周囲とギクシャクすることなく、穏便に事を済ませようとする文化があります。
口を固く閉ざして、怪しい素行を見せなければ大丈夫、とタカを括っている方もおられるかもしれません。
ただ、相続が発生すると事情は一変します。
隠しごとが原因で、あなたの家族はお金の問題や人間関係のトラブルにいきなり直面することになるのです。
特にお金の面では2016年1月から運用されたマイナンバー制度の影響が見逃せません。
たとえば妻の旧姓名義で密かに確保してある預金など、今までは秘密にできていた隠し資産も、同制度の導入によりすべて特定の個人に紐づけされることになると言われています。
そうなれば、妻名義の隠れ資産があなたの相続財産として急に課税対象となる可能性があるのです。
これまでのように「バレることはないだろう」と税務署に隠して、妻の老後資金を確保するような違法な手段は絶対通用しなくなることでしょう。
一方の人間関係も深刻です。
秘密を隠したままで何の対策もしなければ、葬儀の席に突然愛人が現れて大騒ぎ、なんてことがあるかもしれません。
認知していない隠し子がいた場合には認知を求めて提訴されるなど、さらに悲惨なトラブルを巻き起こすこともあり得ます。隠し子をこっそり認知していても、その子に依頼された弁護士から法定相続分の財産を求める通知が突然届くといった事態が考えられます。
その結果、信頼し愛していた妻や娘のあなたに対する愛情はいっきに冷め、亡き父親のことを蔑むようになるでしょう。憎しみや怒りといった目に見えない負の財産を残すことになりかねません。