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書籍「妻に隠しごとがあるオーナー社長の相続対策」

周囲に言えない秘密や趣味、誰にも教えていない預金口座や現金、借金、不動産…。 日本には「知らぬが仏」という言葉がある通り、秘密にすることによって穏便に事を済ませようとする文化がありますが、相続が発生すると状況は一変します。

死後に起こりうるトラブルを避けられるよう、このブログ・テーマでは「他人名義の株式の処理方法」「妻に教えていない借金の扱い方」「愛人や隠し子などへの対応」など、それぞれの隠しごと別に考え方や対処法を、これまでの実務経験を踏まえながら具体例を挙げながら解説します。

第14回

すべての資産を穏便に処理する6つのポイント①

自分の死後に守りたいものは何か確認してみる

隠しごとを放っておくと自身の名誉や家族の幸せ、親族や友人との関係などが傷つくことは前章で説明した通りです。
対策はいろいろとあるのですが、何を守るかによって執るべき手段は違ってきます。
また、対策によっては、難易度や実現するための負担が大きく異なります。

後の章で詳しく解説しますが、別会社を設立したり各種の契約を結んだりと専門家の助けなくしてはとれない手段も多々あります。

相続における隠しごと対策は「一つの事業」と言っても過言ではないほど大変なことなのです。
ですから対策を考える時には、最初に「死後も守りたいものは何なのか?」をしっかり確認してみる必要があります。

ただし当然のことながら、秘密を知られたくない人の範囲が大きくなれば、隠しごとの対策は難しくなります。
ましてや最も親しい妻や家族にもばれないよう、秘密を墓場まで持っていくには非常に大きな労力と出費が伴います。

生前にトラブルの元を断っておくためには、お金で処理せざるを得ないことも多々あります。
相続においては本末転倒ですが、財産を大きく減らす覚悟までする必要があります。

妻にも家族にも告げず、死後も秘密を守り抜くということはそれほど大変なことなのです。

わかりやすいようそのレベルをHIGH、MIDDLE、LOWの三段階に分けてみました。

機密度HIGH:一切を闇に葬り、妻、家族などすべての人に対する威厳を守る

〈対応〉
・秘密を知っている人物が後に公開しないよう十分な経済的、心理的なケアを行う
・隠しごとが露呈するきっかけになりそうなデータ、物証の完全消去

隠し財産や借金、愛人、隠し子などすべての隠しごとについて、一切誰にも知られないよう秘密を守り通すのが「機密度HIGH」です。

死後の秘密に対する考え方は人それぞれ異なります。
中には「自分はもういないのだから、死後に隠しごとがばれるのはかまわない」と考える人もいれば、「誰にも知られたくない!」とこだわる人もいます。人生観や死生観には人によって大きな違いがありますが、その違いが死後の秘密に対する考え方のギャップを生んでいると言えるかもしれません。

加えて家族に対する愛情によっても、隠しごとへの思いは異なります。

隠しごとの多くはもともと自分勝手な思いから発したものです。
それでも「隠していた借金について心配させたくない」「受け入れがたい事実を知らせてショックを与えたくない」などと考えるのは、やはり家族を愛しているがゆえでしょう。

家族への思いがなければ「後は野となれ山となれ」と諦めることは簡単です。
それを「死後も誰にも知られたくない」と頑張るのは、バイタリティの強いオーナー社長ならではと言えるかもしれません。

機密度MIDDLE:息子や弁護士など信頼の置ける数名には知られてもいい

〈対応〉
・信頼できる「共犯者」を選任して、正しい情報を共有する
・死亡後の財産管理について、「共犯者」と取り決めを行い処分や管理を委託する

こちらは前項に比べて隠しごとを守る度合いを一段緩め、息子や弁護士など信頼できる人間にだけは秘密を明かして協力してもらうというものです。

秘密を死後も守り抜くことは非常に困難です。
生前でもかなり難しいことですが、亡くなった後は事情に応じた対策がとれませんから、さらに難易度が高くなります。

たとえば生前であれば、トラブルが発生した時には話し合い、お互いが納得できる落としどころを探ることができます。
しかし、死後はそういった対応ができないため、不満を持つ人がすぐにヒートアップしてしまうことから隠しごとが公にされてしまうのです。

経営者である社長にとって相続対策は必須です。
自社株や事業用資産を後継者にスムーズに承継させるためには、しっかりとした計画や関係者間の調整、納税資金の手当てなどが必要になります。

ある年齢に達したら、相続対策を始めることになりますから、その際には後継者の選任と同時に、隠しごとの対策を頼める人間を密かに見つけるとよいでしょう。

その上で相続の際に妻や家族、従業員、親戚や友人などに隠しごとがばれないよう、秘密を守る手伝いをしてもらうのです。

事業を受け継ぐ息子なら、相続においても中心となって差配するのが自然です。
そんな息子の協力があれば、秘密を隠し通すのはそれほど難しいことではなくなります。

社長の借金についても、知っていれば裁判沙汰にならないよう債権者と話し合うことが可能ですし、隠し口座や現金についてもうまく処理することができます。

息子以外では腹心の部下や弁護士に依頼するという方法もあります。

機密度LOW:社員や第三者などへの漏洩を防ぐ

〈対応〉
・隠しごとを妻に明かして情報を共有し、協力を求める
・妻や家族に対する十分なケアを行う

隠しごとの事柄によっては、秘密を守るレベルをここまで引き下げるのもありだと思います。
とにかく世間体だけは守れるよう家族に協力を求めることで、対策がとりやすくなるだけでなく、思わぬところから秘密が漏れる可能性も抑えられます。

たとえば、借金などが相続発生時に初めて露呈すると家族も大混乱します。知人に相談したことから金融機関にまで情報が届き、その後の融資が厳しくなってしまうなどといった影響も考えられます。

その場合、事前に家族が知っていれば、隠しごとによるショックを小さく抑えられます。

また、愛人や隠し子の生活を保障するためのお金の引き渡しなども、家族が承知の上で処置をすれば、外部の取引先や従業員への悪影響を廃除できます。
その上、社長自身の口から事情を説明できますから、生前にさまざまな「つぐない」をすることも可能でしょう。

問題解決に向けてとりあえず一致団結するだけかもしれませんが、打ち明けることにより家族の絆が深まることもあり得ます。

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