周囲に言えない秘密や趣味、誰にも教えていない預金口座や現金、借金、不動産…。 日本には「知らぬが仏」という言葉がある通り、秘密にすることによって穏便に事を済ませようとする文化がありますが、相続が発生すると状況は一変します。
死後に起こりうるトラブルを避けられるよう、このブログ・テーマでは「他人名義の株式の処理方法」「妻に教えていない借金の扱い方」「愛人や隠し子などへの対応」など、それぞれの隠しごと別に考え方や対処法を、これまでの実務経験を踏まえながら具体例を挙げながら解説します。
余暇を楽しむ趣味とは言え、こだわりを持つとお金がかかるものです。
たとえばゴルフの場合、その道を極めようとすれば、ゴルフ場の会員権はもちろん、クラブなどの道具代、レッスン費用やラウンド費用など出費は際限なく膨らんでいくでしょう。
その他にも、「クルーザーが好き」「絵画や陶器、高級腕時計の蒐集にはまっている」など、自由に使えるお金が豊富な会社社長だからこその楽しみは多々あります。
ただ、妻には妻の考えや事情がありますから、場合によっては認めてもらえません。
「そんなお金があるなら旅行に行きたい」、あるいは「自分もブランドものを購入したい」など、妻の側にも希望があるからです。
余裕資金の使途を巡って、妻と喧嘩したり議論したりするのは大変です。
趣味を隠す社長の多くはそんな面倒ごとを避けるため、秘密にすることを選ぶようです。
ただ、そういった程度の秘密の蒐集物については、相続の際に知られたとしてもそれほど困らないかもしれません。
妻の性格や隠している状況などによっては、せっかく蒐集した愛着のあるアイテムをゴミとして廃棄されてしまうくらいでしょう。
しかし、大切にしてきた財産です。
「どうせ捨てられるくらいなら価値のわかってくれる人に譲りたい」と考えるなら、相続対策が欠かせません。
また、お金のかかる趣味とは別に、女装など特殊な趣味や嗜好を隠している社長もいます。
こちらはなかなか家族の理解を得にくいものですから、死後もできる限り隠しておきたいところでしょう。
女性用の下着や衣類、性的な楽しみに要するアイテムなどは、それこそ墓場まで持っていきたいものです。
相続人も「知らなければ良かった」ということが多々あり、内容によっては、失笑だけでは済まなくなる可能性があります。
生前なら発覚したとしても、苦しい言い訳で活路を見出すこともできるかもしれませんが、死後ではそれもできません。
趣味に関わるアイテムを置いている場所ともども、家族に存在を知られないよう対策を講じておく必要があります。